Filed under: スーパーカー, コンバーチブル, フェラーリ, パリモーターショー, 特別/限定車, パフォーマンス
【ギャラリー】Ferrari 488 Pista Spider7
2018年10月2日 フランス・パリ発 ペブルビーチ・コンクール・デレガンスで世界初披露されたスペシャルシリーズのニューモデル、フェラーリ「488 ピスタ スパイダー」が、パリ・モーターショーで欧州デビューを果たしました。フェラーリが発表するこの50台目のドロップトップモデルは、1.92 kg/cvという比類の無いパワーウェイトレシオを誇るフェラーリ史上最もパワフルなスパイダーです。
フェラーリ 488 ピスタ スパイダーは、レースから生まれた最高の技術ソリューションと、オープンエア・ドライブの楽しさを組み合わせ、ステアリングホイールを握る際に胸躍るような体験を提供します。人とクルマの共生的な関係によってコマンドに対する即応性と複雑な操作をする際の完ぺきなコントロールを保証することで、ドライバーは車輌との一体感を味わっていただけます。これまでにフェラーリが開発した公道走行用のオープントップカーから移転された、最高水準の技術が盛り込まれているのですから、それも驚くことではありません。
このモデルのエンジン、ビークルダイナミクスおよびエアロダイナミクスは、「488 チャレンジ」と「488 GTE」という2つのサーキット専用車に由来します。488 GTEは、2017年FIA世界耐久選手権のGTクラス・タイトルを獲得し、2012年の選手権がスタートした2012年以来5つ目のGTマニュファクチャラーズ・タイトルをフェラーリにもたらしました。また488 ピスタ スパイダーは、先にリリースしたクーペバージョンの「488 ピスタ」で得られた広範囲にわたる開発作業の恩恵にも浴しています。
フェラーリ 488 ピスタ スパイダーには、2018年にインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー・アワードにおいて3年連続でベスト・エンジンに選出された、マラネッロ史上最もパワフルなV8エンジンが搭載されています。排気量3,902ccのツインターボV8エンジンは、720 cv(「488 スパイダー」を50 cv以上上回ります)の出力と、一貫して高まり続ける加速性能を体感していただけるようにチューニングした強大なトルクを発揮します。またこのエンジンは、過去20年間の最優秀エンジンの中から特別に選ばれる、「ベスト・オブ・ザ・ベスト」賞も受賞しています。
0-100 km/h 加速2.85秒、フィオラーノ・ラップタイム1分21秒5をマークした488 ピスタ スパイダー は、フェラーリ史上最も高性能なスパイダーです。
488 ピスタ スパイダーのターゲット・クライアントは、すでにフェラーリのほかのスパイダーを所有している情熱的なフェラリスタの方々です。それは、488 ピスタ スパイダーがお届けする圧倒的なパワーとスピードを求めながら、オープントップ・ドライブとエンジンが奏でる極上のサウンドトラックを楽しむことを望まれるドライバーです。
エンジン
488 ピスタ スパイダーのエンジンは、その性格と性能において、新世代ターボエンジンはもちろん、自然吸気エンジンを含むすべてのエンジンのベンチマークを確立しました。2016年から3年連続でエンジン・オブ・ザ・イヤーに選ばれた理由もそこにあります。また、総合出力および比出力(1リッター当りの出力)の両方で、公道走行可能なフェラーリ・モデルに搭載された最もパワフルなV8エンジンでもあります。開発のベース・モデル、488 スパイダーからのパワーアップ幅もこれまでで最大です。
488 ピスタ スパイダーの技術性能データは突出しており、このセグメントの最上位に位置します。488 ピスタ スパイダーのエンジンは、8,000 rpmで、488 スパイダーを50 cv、先代のスペシャルバージョンを115 cvも上回る720 cvという強烈なパワーを発揮します。185 cv/lという比出力もこのクラス最高です。最大トルクに関しても、全エンジン回転域でこれまでのエンジンを上回り、3,000 rpmから770 Nmの最大トルクが得られます(488 スパイダーを10 Nm以上増大)。
488 チャレンジの開発で得られた新エンジン・インテークレイアウトの採用によって、インテークはボディ側面からリア・スポイラーエリアに移動しています。こうして大量かつクリーンな気流をエンジンに送り込むことで出力増強を図り、このような高い性能を実現させました。エアインテークをサイドからリアに移動させることで、リアホイールの前に、より大型のインタークーラーを搭載するスペースも確保できました。このソリューションは、流体動力学的ドラッグによる損出を大幅に削減するだけでなく、より大量かつクリーンな気流をエンジンに送り込んで、パワーを増強します。
F1由来の技術を活用したインコネル製のエグゾーストマニフォールド、軽量クランクシャフトおよびフライホイール、チタン製コンロッド等、先進のコンポーネントの採用によって、エンジンの軽量化に努めました。エンジン単体でも、これまでのモデルより18 kgも軽量です。
エンジンのエグゾーストサウンドは、スペシャル・シリーズカーに相応しいユニークなものです。サウンドレベルは全ギア、全エンジン回転域で488 スパイダーを上回ります。リトラクタブル・ハードトップの採用により、クーペバージョンよりも鮮明なエグゾーストサウンドを楽しんでいただけます。新設計のインコネル製エグゾーストマニフォールドとエキゾースト・バイパスロジックの最適化によってサウンドの品質および音量も改善されました。
フェラーリ 488 ピスタ スパイダーのエンジンは、出力向上以外にも、車輌のより直感的な操作を可能とする特性を備えています。一般道でもサーキットでも、路面状況を問わず、ステアリングを握るすべての方がこの車輌のパワフルかつシャープな性能をフルに引き出すことができます。
新ブースト制御戦略は、アグレッシブなスポーティー走行時のレスポンスと性能を最適化して、ドライバーがスロットル操作で求めるパワーを、意図したとおり瞬時に活用できるようにします。
レブリミッターのウォール効果戦略も、極限域でのエンジン性能を飛躍的に進化させました。リミットに向かって徐々に回転数を制限するのではなく、レッドラインに設定した8,000 rpmを越えた時点で一気にリミッターをかけることで、ダイナミック走行の際、高回転域での短時間のパーワーオンでも最大のパワーが得られるようになりました。
トランスミッション
生粋のレース専用車に匹敵する高性能ギアシフト戦略によって、スポーツ走行時のフィードバックを強化しました。マネッティーノの「RACE」ポジションで利用可能となるこの新ギアシフト戦略によって、シフトタイムは30ミリ秒短縮します。
またこのモデルでは、高い評価を得ているフェラーリ・バリアブル・トルクマネジメントがすべてのギアで利用できます。このモデルの突出したスポーティーな性格に合わせて、レブリミットまでの全回転域で滑らかかつ一貫してパワフルな加速性能が得られるよう、すべてのトルク曲線を見直しました。
ビークルダイナミクス
フェラーリ 488 ピスタ スパイダーのビークルダイナミクス開発の目的は、あらゆるタイプのドライバーに、ラップタイムとスタンディングスタートで高いメカニカル性能を発揮しながら、最大のドライビングプレジャーをもたらし、この高い性能を心から楽しんでいただけるようにすることです。
このドロップトップV8スペシャル・シリーズカーに向けて開発されたビークルダイナミクスは、卓越した加速、ブレーキ効率、精密なステアリング、グリップ、安定性、ハンドリングといった様々な要素をシームレスに組み合わせることで、比類の無い極上のドライビング・エクスペリエンスを実現させました。これにはスポーツ走行時における横方向のダイナミクスをより直感的かつ予測可能で制御しやすくするフェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE)が貢献しています。
フェラーリのエンジニアチームは、これらの目標を達成するために、いくつかの領域に分けて作業をスタートさせました。はじめは、多数の軽量化ソリューションを導入です。次にブレーキシステムの効率を改善する新世代のサイドスリップ・コントロールシステム(SSC 6.0)、新プロダクトのミシュラン・スポーツカップ2タイヤの採用です。
488 ピスタと同じように、スパイダーにも、キャリパーに働くブレーキ圧を調整するフェラーリが独自に開発したソフトウェアを活用したラテラル・ダイナミクス・コントロールシステムが装備されています。またマネッティーノの「CT-OFF」ポジションではフェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE)が利用できます。FDEは、予想サイドスリップ角を含め、ラテラルダイナミクスのパラメータを制御します。このシステムは、コーナリングやコーナーを抜ける際にキャリパーを軽く作動させてブレーキディスクとの間隔を詰め、事前に車輌の挙動に介入します。
システムは、サイドスリップ・アングルの変化を管理することで、スポーツ走行時のラテラルダイナミクスをより直感的かつ予測可能とし、制御の簡便化を図ります。このようにFDEは、スタビリティコントロールシステムとは違い、最高性能を最大限引き出すことを重視したシステムです。
統合したSSC 6.0システムにフェラーリ・ダイナミック・エンハンサーを組み込むことによって、今まで頭を悩ませていたオーバーステアにも簡単に対応できるという自信をドライバーにもたらすことができました。たとえベテラン・ドライバーでなくても、限界域での性能をより簡単に引き出し、意のままにコントロールできるようになります。
エアロダイナミクス
徹底したエアロダイナミクスリサーチが、フェラーリ 488 ピスタ スパイダーの性能改善に重要な役割を果たしました。妥協のないイノベーションと性能の追求をコンセプトに作業を進めた結果、重要なソリューションを開発する大きな工学的自由が得られました。
卓越した488 スパイダーのエアロダイナミクス効率をさらに20%も改善させました。これによって絶対的速度が改善され、中・高速サーキットにおけるラップタイムを短縮させただけではなく、ステアリングホイールを握る楽しさも増加させました。
こうした大幅な性能改善には、CD値(空気抵抗係数)を増加させずにダウンフォースを強化することを目的に開発を進めた、ボディワークおよび大胆なアンダーボディ形状が貢献しています。
488 ピスタ スパイダーのV8ターボエンジンは、ベース・エンジンよりも50 cvも出力を向上させました。プレナムに進入する空気の温度を488 Spiderよりも約15℃低下させたことも、この出力向上に貢献しています。熱流体力学の開発では、純粋なエアロダイナミクス性能への影響を最小限に抑えるために、パワートレインの冷却を重視しました。
フロントに搭載するラジエターのレイアウトは完全に設計し直されました。488 チャレンジと同様に、ラジエターを従来とは逆にリア方向に傾け、熱気をフロントホイール前のアンダーボディに導き、排出するよう設計されました。これによって、リアに搭載したインタークーラーの冷却性能を10%改善できただけでなく、エアロダイナミクスも改善することができました。タイヤ露出部分の仮想フェアリングによって、CD値は7%も改善されました。
より効率的なダウンフォースが必要であったため、フロント全体、特にバンパーとボンネットを完全に設計し直しました。特にF1由来のイノベーティブなソリューションにS-Ductがあります。フロントバンパーのインテークで取り込んだ気流は、断面を再設計したエアロダイナミクダクトを抜けて、ボンネット上のベントから排出され、フロントアクスル上にダウンフォースを発生させます。
またフロントインテークには二重の機能を備えた、センターロア・ウイングプロファイルを採用しました。このプロファイルは、スプリッターの役割を果たすと同時に、湾曲した面で気流を加速させ、S-Ductを通る空気量を増大させて性能向上を図ります。またこのプロファイルは、フロントアンダーボディに低圧エリアを発生させて、ダウンフォースを強化します。
このソリューションだけで、CD値の増加をわずか2%に抑えながら、ダウンフォースを488 スパイダー比で18%も強化することができました。
スポイラーは、488 スパイダーのものに較べてより高く(+30 mm)、より長く(+40 mm)なりました。この開発作業では、スポイラー下のブリードの効率を重視しました。実際、488 スパイダーに較べて強化されたダウンフォースの25%は、このスポイラーシステムとブリードの改良によるものです。
すべて新型フェラーリこのモデルのアンダーボディも、さらに効率的なダウンフォースの獲得に向けて特別に設計し直されています。488 スパイダーとの最大の違いは、ラジエターから放出された高温気流をフロントホイールのアンダーボディに偏向させたことです。この方法には、冷却レイアウトを改善し、CD値を引き下げられるという利点がありますが、その反面、ダウンフォースの生成に利用できるエリアが狭くなるという問題も抱えることとなります。この弱点を補い、ダウンフォースをさらに強化するために、設計者はアンダーボディの他のエリアを利用する方法を選択しました。
その結果、フェラーリ 488 ピスタ スパイダーには、フロントラジエターの傾斜方向を変え、ホイール前方のダムを無くすことで可能となった、フロント・ディフューザーが装備されています。このフロント・ディフューザーは、すでに488 GTEで最適化されていたランプを活用して気流を加速させ、ホイールアーチに排出することで強力な吸引力を発生させます。その結果、488 スパイダーよりも12%も強いダウンフォースを発生させることができました。
エクステリアデザイン
フェラーリ・デザインセンターは、エアロダイナミクス面のニーズに応えることを最優先してエクステリアをデザインしました。488 ピスタ スパイダーのフォルムは、これまで以上に性能志向のデザインになるよう綿密な彫刻が施されています。エアロダイナミスのニーズに応える一方で、フェラーリならではの特徴的なステイリング要素とエレガンスを尊重したフォルムになるよう細心の注意が払われています。
デザイナーは、エアロダイナミクス性能改善のためのフロントのS-Ductなどの革新的な要素を上手く活用して、ノーズを視覚的に短くし、独創的なフローティングウィング効果を創出しました。フロントバンパーにあるブラックのオメガ・シェイプのエッジとサイドフリックは、488 GTEの特徴的なエアロダイナミック・アンダーボディのモチーフを参考にしています。
ボディ側面で最も目立つ特徴は、488 スパイダーにあったサイドエアインテークのスプリッターが無くなったことでしょう。フロントでは、フロントバンパーから始まるエアロダイナミクスプロファイルが、サイドのミニスカートに沿ってリアディフューザーの側面付加物までスムーズに流れます。
フロントで導入したコンセプトは、まるで吊られているように見え、軽さと効率を感じさせる、ドルフィンテール型のリアスポイラーにも反映されています。またリアのボリューム感は、このエリアに力強さを与えています。
コックピット
インテリアは、ストイックで特徴的なレースカーのような雰囲気を備えています。幅広く用いたカーボンファイバーやアルカンターラのような軽量ハイテク素材が、すべてのフェラーリ車輌の特徴でもある精密な加工、洗練されたデザインに完ぺきにマッチしています。コントラスト・カラーのステッチやトレッドプレート、トライアングルパターンのアルミ製ヒールレスト、彫刻的なドアパネルなどがその一例です。
ドライバーゾーンは、メイン・インストルメントパネルの周囲に2つの新開発オール・カーボンファイバー製計器クラスター(オプション)によって引き立てられています。通常はパッセンジャー前のダッシュボードに組み込まれるグローブコンパートメントを無くし、その代わりにリアベンチとドアに便利なストレージポケットを装備しました。これによってダッシュボード下のボリューム感を視覚的にスリム化することができました。
7年間メンテナンス
卓越した品質基準と、さらなるカスタマー・サービスの充実を目指すフェラーリでは、488 ピスタ スパイダーにも7年間のフェラーリ純正メンテナンス・プログラムをご用意しました。この純正メンテナンス・プログラムは、最初の車輌登録から7年間にわたり、すべての定期メンテナンスを保証するフェラーリならではのサービスです。フェラーリの定期メンテナンスは、年月が経過してもパフォーマンスおよび安全性を最高の状態で維持しすることを目的としています。
主要諸元
エンジン
タイプ V8 - 90° ツインターボ、ドライサンプ
総排気量 3,902 cc
ボア & ストローク 94 × 78 mm
最高出力* 530 kW(720 cv)@ 8,000 rpm
最大トルク* 770 Nm @ 3,000rpm(7速にて)
比出力 185 cv/L
最高許容回転数 8,000 rpm
圧縮比 9.6:1
サイズ & 重量
全長 4,605 mm
全幅 1,975 mm
全高 1,206 mm
ホイールベース 2,650 mm
フロント・トレッド 1,679 mm
リア・トレッド 1,649 mm
空車重量 1,485 kg
乾燥重量/出力比 1.92 kg/cv
乾燥重量** 1,380 kg
前後重量比 41.5%(フロント)– 58.5%(リア)
トランク容量 170 L
燃料タンク容量 78 L
タイヤ
フロント 245/35 ZR 20 J9.0
リア 3305/30 ZR 20 J11.0
ブレーキ
フロント 398 x 223 x 38 mm
リア 360 x 233 x 32 mm
トランスミッション/ギアボックス
F1 - 7速デュアルクラッチトランスミッション
電子制御
E-Diff3,F1-Trac, ABS/High Performance EBD with
Ferrari Pre-Fill, FrS SCM-E, FDE, SSC 6.0
パフォーマンス
0-100 km/h 加速 2.85 秒
0-200 km/h 加速 8.0 秒
100-0 km/h 制動距離 29.5 m
200-0 km/h 制動距離 116 m
最高速度 340 km/h
フィラーノ・ラップタイム 1分21秒5
燃料消費/CO2排出量
ホモロゲーション申請中
* 98 RON(オクタン)燃料使用時/**軽量オプション・コンポーネント装備車
【ギャラリー】Ferrari 488 Pista Spider7
フェラーリに関する最新情報は、Ferrari.com(日本語版)よりご覧いただけます。
http://www.ferrari.com/
企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ
Continue reading フェラーリ史上最高性能のドロップトップ「488 ピスタ スパイダー」、パリ・モーターショーで欧州デビュー
フェラーリ史上最高性能のドロップトップ「488 ピスタ スパイダー」、パリ・モーターショーで欧州デビュー originally appeared on Autoblog Japan on Tue, 02 Oct 2018 17:00:00 EDT. Please see our terms for use of feeds.
Permalink | Email this | Comments